音声をデジタル信号としてエンコードする方式の1つで、「Adaptive Differential Pulse Code Modulation」の略。いわゆる「PCM (Pulse Code Modulation)」の亜種と言える方式である
通常のPCMがデジタル化した信号をそのまま記録して行くのに対し、ADPCMは各サンプルデータの差分を状況に応じてビット数を削減しつつ記録する
これによりADPCMは通常のPCM方式よりも多少データ量を削減する事ができる。現在ではデータのサイズを重視するのであれば、PCMデータを更にMP3でエンコードするなどの手段があるためADPCMはそれほど重要な技術ではなくなっているが、非常に簡単な処理でデータの削減が行えるため、CPUの能力が低く音質をそれほど重視しないICレコーダーなどの機器で使用される事がある
PC上のファイルとしてはADPCMは通常のPCMと同じく、WAVファイルになっている事が多いが、アプリケーションによってはADPCMのWAVファイルは扱えないものもある
またADPCMには完全な標準となる方式がないため、それぞれ微妙に異なる多数の方式が存在する。現在使われているADPCMフォーマットとしては、「Microsoft ADPCM」と「IMA ADPCM」が多い