米国ドルビー・ラボラトリーズ社によって開発された、テープ式のレコーダー向けのノイズリダクション(低減)技術の事。業務用機器向けのAタイプ、民生機器向けのBタイプ、Cタイプなど幾つかの方式がある
アナログ式のテープレコーダーでは、テープの特性上、原理的に発生するヒスノイズへの対策が大きな課題であったが、この「ドルビーノイズリダクション」技術によってかなりの改善が可能になる。Dolby-Bタイプは民生機器向けとしていわゆるカセットデッキ等のほとんどの機種に搭載され、広く普及した
基本的には、小音量/高周波数の音をあらかじめ大きく録音し、再生時に逆の操作をする事でヒスノイズを目立たなくするという手法を取る。使用している方式を自動的に検出する方法はないため、録音時と再生時で同じ設定を手動で選択する必要がある
略称として「Dolby NR」と呼ばれる事もあり、また、かつては単に「ドルビー」「ドルビー方式」と言えばこの「ドルビー・ノイズリダクション」を指していた
あくまでもテープ式のアナログレコーダーのための技術であるため、近年のデジタル式レコーダーで使用される事はない